「匙(さじ)を投げる」は、見込みがなく手を引く、あきらめる、断念するという意味の慣用句です。
匙はスプーンではなく、江戸時代に医者が薬を調合するときに使用していた薬匙のことです。現在では薬剤師が薬を調合していますが、当時は医者がしていました。
どんなに良い薬を調合しても治る見込みがない病気、手の施しようがない病気の時に使われていた医学用語でした。
もう一つは、医者が思い通りの薬が調合できずに薬匙を放り投げたことから、努力しても成功する見込みがないことからあきらめたり、手を引くという意味をもつ言葉になったといいます。