予期しないこと、意外で奇妙なこと、とんでもないことという意味で「ひょんなこと」という言葉があります。
この「ひょん」とは一体何のことでしょうか。
有力な説が二つあり、一つは、「凶」という漢字に由来するというもの。
江戸時代の学者・新井白石が「同文通考」(1760年)巻二の中で、不吉であることを意味する「凶」という字の中国語読み(唐音)に「ひょん」があり、良くないことを表すことからひょんなことという使われ方をしたという説です。
二つめは植物の名前からという説。
イスノキという植物の別名が「ヒョンノキ」といい、この木に出来る実が卵形で毛に覆われていて、他の植物にはあまり見ない奇妙な姿から、「ひょんなこと」の語源になったともいわれています。
また、このヒョンノキの実はアブラムシの寄生によって出来るのです。