「夜に爪を切ってはいけない」という言葉を聞いたことがあると思います。夜に爪を切ると親の死に目に会えない、親不孝者などという言い伝えがありますが、なぜなのでしょうか。
いくつかの説がありますが、「夜、爪」が「夜、詰め」を連想させることが有力だといわれています。
戦国時代に使われていた言葉の「世詰め」というのは命詰めるという意味で、短命・早死にのことです。そのため親より早くに死んでしまい、親の死に目には会えないと伝わったようです。
また、電気のない時代には、ろくそくや囲炉裏などの薄暗い灯りで過ごしていました。手元がしっかり見えない夜に小刀などを使っての爪切りは危険で、深爪や指を切ったり、傷からの感染症もありました。
当時は感染症から亡くなることも珍しくないため、夜の爪切りでケガをすると死んでしまうこともあるという危険性を広めたという説もあります。