なぜ霊柩車を見たら親指を隠す?

文化・歴史

「霊柩車を見かけたら親指を隠す」という話を聞いたことはありませんか。

親指を隠さないと親の死に目に会えなくなる、親が早死にする、縁起悪いなどという噂が広まり、多くの人が隠したことがあると思います。

実は、親指を隠すという行為の歴史は古く、江戸時代にはこの風習があったといいます。

「野辺(のべ)の送り」といい、亡くなった人を火葬場まで運ぶ列を見るときに親指を隠していました。

死者の霊は、親指の爪の間から人間の身体に入ってくるといわれていたため、親指を隠すことで死者の魂を自分に入り込まないようにしていたのです。その行為が現代にまで伝わっていたのです。

しかし最近では、霊柩車を作るコスト面や死をイメージさせるという理由から霊柩車の台数は減っているので、見る機会も少なくなりました。