なぜ船の名前には「〇〇丸」が多いの?

文化・歴史

明治時代の船の法律「船舶法取扱手続」の中に「船の名前の末尾になるべく「丸」をつけること」とされ、多くの船が「丸」という名前を付けました。

2001年(平成13年)の訓令改正によってこの条例はなくなりましたが、長く使われている名前が残ったり、その名前を引き継ぐ船などもすくなくないため、現在も○○丸という船が多いのです。

古くは、平安時代の書物に既に「坂東丸」という名前の船が出てきていますが、語源などは諸説あります。

自分のことを「麿」といっていたものが、後に愛敬の意味で人名に付け、さらには愛犬や刀など愛玩物に用いられつようになり、「麿」が「丸」に転じて船にもつけるようになったという説。

豊臣秀吉が作らせた大きな船(長さ25メートル、幅約9.4メートル)に、「日本丸」と名付けたことに由来しているという説。

排泄を意味する「まる」という動詞を名前に付けることで、汚いものや臭いものが嫌いな悪霊が退散していくという考え方から、海難事故などから船を守るためにあえて「丸」をつけたという説などがあります。