世界一孤独なクジラ

自然・生物

1989年、太平洋で米海軍の海中探査システムで海洋研究所の科学者ウィリアム・ワトキンズが正体不明の音を検知しました。

周波数は52ヘルツ。

分析の結果クジラの声だと断定しましたが、クジラの鳴き声の周波数が15~25ヘルツ程度です。

52ヘルツは遥かに高い周波数であり、音にするとチューバのような低音です。

この周波数で鳴くクジラは世界で唯一の個体であるため、声を発することが出来ても他のクジラには聴こえず、交信することのない「世界でもっとも孤独なクジラ」と呼ばれています。

ウィリアム・ワトキンズは発見から12年間そのクジラの鳴き声を確認し、彼が亡くなった後も2004年以降毎年鳴き声が確認されるようになりました。

アメリカでは「The Loneliest Whale: The Search for 52」というドキュメンタリー映画も公開されました。