こも巻きの効果

文化・歴史

冬になると、木にわらのようなものを巻いているのを見たことがあると思います。

木の防寒かと思われがちですが、江戸時代から行われてきた薬剤を使用しない害虫駆除の方法で「こも巻き」といいます。

わらやイグサで編んだ「こも」を冬に木に巻き付けることで、害虫のマツカレハが中に入り込んで越冬します。

マツカレハや幼虫などが入った「こも」を春先に外し、焼却処分することで害虫から木を守っています。

しかし、2002年から5年間かけた調査で「こも」の中に入るのは害虫のマツカレハよりも、害虫を食べてくれる益虫のクモやヤニサシガメなどが多く入っていたという結果が出ました。

そのため、こも巻きの効果がないどころか逆効果だという見解から、皇居外苑、京都御苑、浜松市、姫路公園なども廃止しました。