マグロの中でも脂が多く、とろけるような食感で人気のトロ。
しかし、江戸時代では捨てられる部位でした。マグロ自体「下魚」といわれ、価値が低い魚でした。
鮮度が落ちるのが早い魚で、水揚げされてから魚河岸に運ばれる際に傷んでしまうため、あまり口にすることもなかったといいます。
当時は冷蔵技術もなく、傷みが早い脂身の部分はすぐに取って捨てられたり、畑の肥料にされていたのです。
江戸後期になると醤油につけた「ヅケ」の握りで人気がでました。醤油は傷みを防ぐことができ、マグロも人気がでましたが、脂が多いトロは醤油がしみ込みにくく痛みやすいため取り除かれていました。
1960年代以降、冷凍技術の発展によってトロが新鮮な状態でキープされ、生食で食べられるようになってから一気に人気が高まったのです。